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山形家庭裁判所米沢支部 昭和31年(家イ)42号 命令 1956年7月11日

申立人 中野ふく(仮名)

相手方 中野英春(仮名)

主文

相手方は本件調停の終了にいたるまで申立人所有に属する別紙目録記載の動産に対し売買、譲渡、質権の設定等その他一切の処分をしてはならない。

正当の事由がなくこの命令に従わないときは五千円以下の過料に処する。

(家事審判官 西口権四郎 調停委員 五十嵐栄 調停委員 結城しう)

申立の趣旨

相手方は申立人との子由美子の親権者を相手方として申立人と離婚を為し、申立人に慰藉料として金五万円也を支払う様御調停願います。

又申立人の身廻り品を引渡す様御調停願います。

事件の実情

一、申立人は相手方と昭和二十六年十二月五日婚姻し長女由美子を生み今日に及んで居る。

二、然るに相手方は申立人と婚姻以前より他に女があつて、当時相手方は○○市役所に勤務して居つたが公金横領を為し申立人の実家から借金したりして居つたが、昭和三十年八月頃○○市役所附近の○○○○屋に放火した事件があり○○市役所を退職した。

三、以上の様な状態であるが相手方は掌に酒を飲み申立人には理由なく暴力を働くので実家に帰る事が度々あつた。

四、昨年九月十五日相手方は申立人に乱暴をするので一時身を隠し現在の所にて開業して今日に及んで居る。

五、それで申立人は人を頼んで再三離婚して戸籍を返してくれと申込みたる処言を左右にして籍の問題を解決してくれないし又申立人の身廻品を返してくれと申し出るも之をも返してくれないので本件申立をする次第ですから何卒申立の趣旨の様に御調停下されたく御願い申し上げます。

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